アコースティックMIXレポート ギター~完結編

前回の歌編に続き、ギター編~完結まで書きたいと思います。
事の概要は前回の記事をご覧ください。(リクエストに応えて縛り付きでMIXする企画です)

今回も一応MIXした作品を貼っておきます↓

では、前回同様に、いつもならトラックプリセットで必ず使うとか候補として挙がりがちなプラグインを紹介しつつ、それを何で置き換えたのかという形でレポートしていきます。

1.1176LNまたはDRAGON(実機)→TubeCompressor
ギターについても、下ごしらえや掛け録りで実機コンプを使うケースが多いんですが、ここも1176のモデリングらしきCubase付属のVintageCompressorを挿してみるもやはりイメージ合わず。試しにTubeCompressor掛けてみたらこっちの方がしっくりきたので、こちらを選択。そもそもこの段ではそんなに深いコンプレッションは考えていないので、軽く掛けてレベル差が緩和されればと思っていたのと、雰囲気程度だけど質感が良い方向に変わったので可としました。

2.FabFilter Pro-Q2→そのまま
歌同様に初期段階でローカット。とはいえ素材がアコギだし、これしかバッキング楽器が無いのでそんなにバッサリはカットせず。ベースとかあればそっちに低域を譲ってカットというケースも多いですが、今回はアレンジ的にもかなり低域を生かす設定としました。簡単に言ったら超低域だけカットと言って過言でないです。

3.OMEGA 458aまたはTrueIron→Magneto II
今回は割と早い段階で倍音付加。お気に入りの458aかTrueIronが最近だと多いですが、まあ素材との相性次第ですね。BlackBoxのHG-2とかThermionic Culture Vultureを挿す事も多いです。ですが、今回は縛りがあるので先ずDatubeを選択…聴感上歪まない程度を目指してジワジワとDriveさせていくんですが、浅いと全然良い具合に変わらんし、突っ込み過ぎれば歪むとゆー事で却下。まあテープで良いかって事でMagneto IIを選択。こちらの方が好結果でしたね。当初イメージしてた音とは明らかに違いますが、適度に歪んで太く張った感じが出てきたので、この方向でやるかと思えたので可としました。

因みに、この辺りから素材によって結構変えるとこなんですけど、今回の素材についてはこの段から倍音付加して、それを加工EQで強調し、その後補正EQで整えるという形を取りました。

4.ChandlerLimited CurveBenderまたはPultec EQP-1A→PositiveGrid ProSeriesEQ
歌で使った2種とは異なるPassive EQを使用。真空管なのでPultecに近い質感なら出せるかと思って。ハイミッド~ハイに艶出しが目的と言っていい。弦かき鳴らしてますよ感が一気にここで増した感じに。あと、元々素材がモコモコしてたのでローミッドをマイナス。補正系で後で整える前提で質感が面白くなるポイントと量を探って決定。たまに「カットが音楽的なEQ」みたいな言葉を見掛ける事があると思いますが、真空管物はそういう傾向にある物が多いので。実際今回やってみて、その傾向にあると感じたのでその方向で使いました。
PositiveGridのEQって、味付け濃い目でじゃじゃ馬だけどわかりやすく変化してくれるので、これはこれでありだなと思います。タダでもらったから舐めてたけど、今後たまに使うかもね、ほんと。

5.(追加)bx_console SSL4000G
上の段で補正まで兼ねてという感じにならなかったので、補正の為にEQを1段追加。未だ出過ぎているローミッドをマイナス、ハイも質感付加と引換えに過剰に出てしまっていたので、これをマイナス。

6.Oxford Dynamic EQ→そのまま
アコースティックギターの強めのストロークの時って、やっぱ音がそこだけどかーんとでかいんですよね。主にローミッド、素材によっては弦のアタックがハイにばちーんときます。これを抑える為のダイナミックEQが欲しいんですけど、今回は縛りでMultibandcompで代用を試みました。正直使い慣れて無さ過ぎて結構苦労しました、、余計なコンプ感をできるだけ出さずに抑えたかったんだけど、それが難しくて、、で、結局元のOxford Dynamic EQに戻しちゃった、とw

7.FabFilter Pro-MB→Compressor
歌とのサイドチェインで使う用。目には目をじゃないけど、Pro-MBと同様に最初は上段と同じMultibandcompを挿したんですよ。だけど何か狙った感じにならない。簡単に言ったら、歌が入ってきたらその中心周波数を狙ってこじ開けてやる効果を狙ったわけなんですが、設定が悪いのかもですが、違和感ある感じなってしまいまして。効いてないレベルなら当然違和感無いんだけど、あー効いてるなって実感と共に違和感が出ちゃって、ほんで試しに普通のCompressorに変えたらこっちの方が未だ違和感無かったのでこっちにしました。

ここまでがインサートです。
別録りのアルペジオやソロは当然作り方は変えていますが、全部解説すんのは骨が折れるので、まあ考え方は一緒でアプローチ違いと思ってください。

で、ここからリバーブについて解説します。

先ず、メインのバッキングは左に寄ってると思うんですが、右にアルペジオが無い時もそんなに右にスカスカ感を感じないと思います。これは、ショートリバーブを逆の定位に配置してるからです。ダブリングでよくない?って思うかもしれないけど、今回アコースティックアレンジで、アルペジオやソロはともかく、バッキングは基本的に弾き語りスタイルなので、2本ある感じにしたくないと思いません?少なくとも私はこの場合2本に聴こえる様にしたくなかったので、定位はある程度割れる様にしつつ、2つに感じない程度のタイム感のリバーブを逆の定位に置いたとゆーわけです。んで、長めのリバーブはセンター定位に置く、と。でもこれは響きを豊かにする目的で配置していて、微量で且つ、あえて左右に広がり過ぎない様にステレオコンバインパンで定位を狭めています。これにより、小空間で演奏している感を演出する、という意図を持ってやってます。あと、リバーブはそれぞれEQで弄ってますね。主に重いとこカット。あとは聴かせたい帯域を強調。後者は今回そんなに無かったですけど。

アルペジオのリバーブは、シンプルに1つ。バッキングの様に定位を割る為のリバーブは使ってません。センター定位で設定し始めましたが、バッキングの左側に出ない様にしたかったので、これもステレオコンバインパンで弄って右に偏った配置になってます。バッキング同様にEQで調整しています。

ギター編はここまで。

ここから完結編も一気に書いちゃいましょう。

音数が少ないアレンジなので、纏めて聴いて歌とギターとリバーブの定位は若干弄ってますけど、まあ微調整程度。んで、ボリュームの基礎をA,B,サビ~の様なブロックごとに決めて、あとはサイドチェインのコンプ弄りつつ各パートのオートメーションを書いてバランスを取っていきました。細かい操作はともかく、MIXでやった事って大まかに書くと本当これだけですwだから少点数編成の場合、録り音自体と各パートの作り込みがとても重要という事は言えますね。

最後にマスタリングですが、OZONE Elementsのライセンス余ってるからいずれ依頼者にあげようって前提でそれを使いまして、付属のEQで全体を調整、マキシマイザーで音圧アップ。と、どうもこれだけだと納得いかないので、OZONEの前段にKUSH AUDIOのClariphonicを使用して、M/Sでセンターをチリッと前へ、サイドも少しブライト感を足しました。これ縛り上反則っちゃ反則なんだけど、もうね、身体がClariphonicをマスタリングで使う前提で作っちゃう身体になってるから勘弁してって感じでw

そんなわけで、まあちょいちょい反則もやっちゃうヒールだという事がバれつつ、まあ一応、結構縛られた状態でもこれくらいはやれるよって事は解説できたかな、と。
反則箇所については、ダイナミックEQが無いと少し動きに弱いMIXになるだろねってのと、Clariphonicが無いとこの中高域がチリッと強調された感じって後付では難しいかなってくらいで、まあ無くても結構いい具合にできると思います。

以上、駄文でしたが、お付き合い頂きありがとうございました。

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