ドラムトラック構築について

ToonTrackからSuperior Drummer 3発売のアナウンスがありました。なんと9年振りのアプグレだそうで、どんだけ待った事か。
実はドラム音源ネタを書こうという構想はあって、ただうちはメインがSuperior Drummer 2なのでネタ的には激古いな~と思ってどういう切り口で書こうかと迷ってたとこなんですね。
まあ新しいの出るって事で、期待を込めた現行バージョンで困難だと思ってるとことか、音源に関わらずリアルなドラムトラック作りという観点として、諸々絡めて書こうかなと思います。

ドラムトラックについてですが、色んなアプローチがある中で、やはり生ドラムの音が好きですね。曲がりなりですがドラマーとなったのも、リアルなドラムトラックを作りたいという情念が、実際にプレイするという方向に自分を動かした結果と言っても過言ではありません。
ただ、私のプレイを観た事がある人はわかると思いますが、かなり偏りのあるプレイスタイルですし、そもそもやれる事が多くない。でも欲しいフレーズというのは星の数程あるわけです。そうなるとまあ叩けるとこは叩いて他は代役でって考えるのが近道な感じするけど、生ドラムでそんな事やるには誰か雇うでもしないとできないわけで、基本的な制作過程は電子ドラムでラフ叩いて難しいとこはMIDIで弄るみたいな事になってます。

最近のドラム音源事情ですが、BFD3が頭1つ抜けてるかなって感じで、Addictive Drums 2,EZ DRUMMER 2,Steven Slate Drums4 と続くみたいなのが代表的なとこかと思います。
これらは一応全部押さえており、Steven Slate Drums4以外ではそれぞれを使って1曲以上は作っていて、色々試したわけですが、メインとして落ち着いたのは結局Superior Drummer 2だったわけです。

何故Superior Drummer 2だったのかと言うと、自分の考えるリアルなドラムトラック制作を実現するのに適する特徴を持っていたからです。

リアルなドラムトラックを構築するポイントは色々とありますが、主だったところを挙げると、
・サンプル自体の質
要は生々しく収録されているかですね。
・サンプルのバリエーション
ベロシティレイヤーに代表されますが、BFD3は最大96段階だったかな?要はスネアとかがアサインされている単一のキーにどれだけ多数のサンプルバリエーションが収録されているかというところです。
演奏に表情をつける為には、単純な強弱だけでなくて1発1発違う音が出るのが理想的なんですよ、やっぱ。
・サンプル収録のされ方
前述の質ってのは単品サンプルの事。ここでいう収録のされ方ってのは、ドラム収録特有のマイクの被りとかの事。
ドラムってドラムセットのそれぞれにマイク立てるので、スネアに立てたマイクにハイハットとか別の音が入るでしょ。あれらをしっかり収録しているかどうか、です。

質とバリエーションについては、今のところBFD3が最強ですね。実に生々しく且つサンプルの数もかなり多い。この部分はやはりとても魅力であり、私もSuperior Drummer 2の次に使用頻度が高い音源です。
こう言ってしまうと、3つ挙げたうち2つが秀でているBFD3よりもSuperior Drummer 2を使い続けてきた理由は何なの?って事になりますが、最後に挙げたサンプル収録のされ方にポイントがあります。

質とバリエーションは後発のBFD3に豪快に越されてしまった感が否めないのですが、Superior Drummer 2はマイクの被りがとてもしっかり収録されていて、これは未だにBFD3に抜かれていないと思っています。

BFD3を始め他のドラム音源によくある機能がSuperior Drummer 2にはありません。他のドラムセットから別パーツを持ってきて好きに組み替えるという、サンプリング音源なら当たり前の様な機能です。でもSuperior Drummer 2には無い。これは恐らく、ドラムセットに対して多数マイクを立てて構築しているリアルな音像が破綻してしまうので、メーカーが配慮しての事なのかなと。救済措置的に別キットから追加するオプション機能はあるので、実質的に代用できなくはないけどね。あくまでも1つのドラムセットを選択して、どうしても使いたいものだけ足してねという発想で作られてる。今度のバージョンアップでどうなるか見物ではある。他のセットから何かを差し替えた瞬間に被りはリアルなものでなくシミュレーションしたものに切り替わる様な方式になるのか、はたまた最初からシミュレーションする方式に変更されているのか、、。
因みに、1つのドラムセットに対するサンプル容量はBFD3よりも小さいけど、Expansion1セット平均で30GBくらいなので、そんなに少なくはない。でもレイヤーは少ない。ではどこに使ってんのって事なんだけど、セットに対して立てたマイクについて被りとか含めて余さず収録してるところがでかいと思われます。

生ドラムのエミュレーションで有名な某プロデューサーが、最近のドラム音源はとてもリアルだけど、被りとかが嘘んこだってわかっちゃうから使わないってインタビュー記事で言ってたけど、自前のサンプル以外でSuperior Drummer 2を使ってるってのも公言してるのは、嘘んこじゃないからなんじゃないかな?
他人がどういう見解かはわかりませんが、私の見解としては、個々の鳴りも重要だけど、生っぽさを出すにはドラムセット全体で鳴らした時の音が本物っぽいに越した事は無いと思ってます。

では生ドラムっぽさを求めるにあたって、被りの重要性について具体的な事書きますね。

ドラマーが生か打ち込みかを判断する時に注目するポイントって、おおよそ金物だと思ってます。ロックに関しては、最近の生ドラムの音作りの流行りが結構作り込んだ音なので、スネアとかキックなんかは生でも結構打ち込みみたいな印象の音が増えてると思います。
金物の何処が怪しいかって、スネアに比べたらサンプルがそもそも少ないってのももちろんありますが、代表的なのはオープンハイハットを強打した後に手首を返して弱打する様な時に、強打の余韻が消えないまま弱打の音が鳴るんですが、サンプリング音源の場合、強打のサンプルの音が鳴っている時に弱打が鳴ったら同じハイハットなので強打の音はオフになるんですね。これが実に不自然。ライドでもクラッシュでも、余韻が長い叩き方を連続して行った時に同じ現象が発生して一発でわかるわけです。

上述の不自然さって、そういう状況の音を巧くクロスフェードして鳴らすとかしないと、今のサンプリング技術ではリアルに再現はできないのかなと思います。ただ、その前の音の余韻が何らかの形で残っていたり、他の音で紛れていたりすると、リアルに感じるわけです。つまりは被りがリアルに入っていると、余韻も残るし紛れるしで、金物サンプルの弱点を補ってくれる効果を期待できるわけです。
被りがあると、音の分離が悪くなったり、位相のコントロールが難しくなるというデメリットはありますが、そもそも生ドラムを録ったら被りをオフにするなんてことはできないので、打ち込みの場合でもそこは利便性よりもリアリティを選択したいところだと思います。

Superior Drummer 2もBFD3もそうですが、結構デフォルトだと被り全OFFになってるんですよね。これね、先ず所謂3点(スネア,キック,ハイハット)だけでも被り入れてみてください。ハイハットがセンターに寄っちゃう弊害ももちろん出るんですが、オープンハイハットのニュアンスが圧倒的に生っぽく聴こえてきます。特にSuperior Drummer 2の方はとても素晴らしい効果が得られると思います。シンバルなんかもね、強打の時は色んなとこが拾うから不思議なとこで鳴ってる感じするけど、弱打の時は被り無しみたく綺麗に発音されるので、演奏に表情が出るんですね。シンバルはそもそもサンプル数が少ないケースが多いので、被りが無い状態で演奏させると、同じサンプルが同じ定位で鳴り捲るので、とても機械っぽく感じてしまいます。

そんなわけで、私のドラムトラック制作における拘りのポイントと、Superior Drummer 2を選んでいる理由を書いてみました。今まで重要なポイント2/3がBFD3に抜かれていたわけですが、Superior Drummerも3が9/12に出るという事で、この2つのポイントについても勝つとか超えるくらいの物になる事を期待しています。
後は、金物連打時のボイシングね。これも新しい技術でばっちりエミュレーションしてくれると、創作意欲が超絶高まると思うので、ToonTrackさん是非宜しくお願いしますよ。

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